【コロナ】ワクチンの仕組みを底辺理系が説明する試み【mRNAワクチン】

最近、コロナワクチンのデマ情報が本気で信じられつつある。

5G接続するやら、腕が磁力を帯びるやら、ゾンビになるだとか言いたい放題でむしろ楽しそうだし、ぶっちゃけ悪ノリしたい気持ちにもなってくる。

ただ、そんな妄想情報で必要のない心配が出てきてしまうのは良くないことだと思う。

 

今回はこのような頭おバカすぎるデマ情報に流されないために、頭がおバカすぎる底辺理系出身の私が自分なりにコロナワクチンのしくみを説明してみたい。

「そんな難しい話理解できない!」という人も安心してほしい。私はおバカすぎて多分今これを読んでいる読者様方よりも理解力がないので、めちゃくちゃ簡単にかみ砕いて理解した説明しかできない。なんか、子供がワイワイ騒いでるな程度のノリで聞いてほしい。

 

私がどのくらいバカかというと、底辺高校卒業。底辺大学・大学院で化学を専攻した者で医学はおろか生物すら専門ではない。

たまに「分数の割り算ってどっちを上下逆にすんだっけ?」ってなるレベルである。

すげぇや、数学どころか算数も怪しいぞ。

 

なお、めちゃくそ面倒くさいので出典とかは書かない。そのうち編集で後付けするかもしれないけど、どうせほぼwikipedia出典になるだろうし…

 

 

目次

 

 

ワクチンは抗体を作る

皆さんはなんかこう、ニュースかなにかでよく見せられるコロナウィルスのイメージ図を覚えているだろうか。

ボールにトゲトゲがついたウニみたいな形をしている。

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こんな感じのやつ(いらすとや:コロナウィルス)

このトゲトゲがたまにニュースで聞く「スパイクタンパク質」とかいうやつで、ウィルスが人間の細胞にくっつくためにウィルス表面を覆っているトゲだ。

 

そんなトゲだけに痛い存在なわけだが、私たちの免疫もこの「スパイクタンパク質」を利用して身を守っている。「抗体」と呼ばれるものを生成してスパイクタンパク質のトゲを封印し、「こいつ敵ですよー!」と免疫細胞に伝えて一緒に食べてもらうのだ。

 

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免疫が働くしくみ(作画:私)

ワクチンはこの時の「抗体」を体に作らせることでウィルスに対する免疫力をゲットできるものだ(実際のmRNAワクチンは免疫細胞自体にもコロナウィルスへの反応性を高める作用もあるらしいがよく知らんので今回は説明しない)。

 

 

どうやって抗体を作るの?

んじゃ、どうやって抗体を作るんや?って話になるわけだが、一般的なワクチンは毒性を弱めたり死なせて毒性を無くしたウィルスやトゲ(スパイクタンパク質)の部分だけを注射で入れて、体に抗体を作らせる。

つまりウィルスそのものや一部を体に入れて、それに合った抗体を体に作らせるのだ。

トゲの形はウィルスの種類や型によって異なり、それぞれ形にあった抗体を作る必要がある。私たちの体はその形が合った抗体を作り出すしくみを持っているのである。

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形に合った抗体が必要。雑やな私の絵(作画:私)

抗体を新しく獲得するにはだいたい2週間くらい時間がかかるので、ウィルスに感染した時は2週間は体はノーガード状態である。だが、一度抗体が作られれば次に同じ敵(ウィルス)が来たときに備えてしばらくの間、体の中で同じ抗体が作られ続ける

これを利用してあらかじめウィルスの一部を入れて抗体を作らせておこうというのが一般的なワクチンの仕組みである。

 

 

mRNAワクチンってなんなん?

じゃ、コロナワクチンの今までと違うところってなんなん?ってなるわけだが

コロナワクチンはこのウィルスの一部(トゲ)を注射するのではなく、「人間の体にトゲの部分を作らせる」方法を取っていることである。

そのトゲを作らせる成分がmRNAと呼ばれている、遺伝子の一種だ。

トゲを作らせる遺伝子を注射し、私たちの細胞にトゲだけを作らせて、さっき説明した抗体を作ってもらう仕組みである

トゲはあるものの、それを作っているのはヒトの細胞なのでウィルスのような毒性はない。しかしトゲ自体は敵と認識されるので免疫機構が働いて抗体が作られるわけである。

 

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ウィルス自体を入れないで済むというメリットがある(作画:私)

ほかに、mRNAワクチンは素早く大量生産できるというメリットがある。通常のワクチンはウィルスの不活化やトゲであるスパイクタンパク質を作るところまでをやらなくてはならないので時間がかかってしまうが、特定の遺伝子を複製することは結構簡単にできる。実際、遺伝子を複製して検出しやすくしてウィルスに感染しているか調べる方法がかの有名なPCR検査だ。このスピード性は今回のような世界的なパンデミックにはかなり適しているといえる。

デメリットはmRNAは体内でもすぐに分解されてしまうほど不安定なため低温下で保存し続ける必要があるファイザーがあんな冷凍庫に保管しなきゃいけないのはそういった理由である。モデルナワクチンも冷蔵は必要だがファイザーワクチンよりは低温でなくて済むため、扱いやすいようである。

また、どうしても無毒化したウィルスそのものを入れるよりは十分な抗体を獲得できない。それを補うのは2回接種といった複数回接種である。繰り返し接種することで同じ反応をさせ、抗体をさらにブーストさせて作らせ、確実な免疫獲得を実現するわけである。

 

 

ワクチンで遺伝子が書き換えられるって本当?

先ほどの「遺伝子を注射する」という説明を根拠に「ワクチンを注射するとウィルスの遺伝子に書き換えられる」といった噂が流れていたが、それはほぼありえない。

というのも、私たちの体がどう作られるかを記しているDNAとは違いmRNAはDNAの情報を元にタンパク質を作るための翻訳機」という役割しか持っていないことである。

DNAが人間の体を作るための「設計図」だとすれば、mRNAは実際に体を作る「人」と考えるといい。

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設計図やマニュアルを覚えた人って考えたほうがいいかも(作画:私)

mRNA(人)はDNA(設計図やマニュアル)を記憶(正確には複製)したものである。だからDNAを元にmRNAが作られることはあってもmRNAを元にDNAが書き換えられることはないDNAはあくまでこうやって作ってくださいという「見本」でしかなく、mRNAは「見本」を元に「製造をする」だけである。そのmRNAもDNAの設計図通りのタンパク質を作ったあとは速やかに分解される。先に言ったようにmRNAはそれだけ不安定な物質なわけである。

 

コロナのmRNAワクチンはこの「人」が「コロナウィルスのトゲの設計図を覚えた人」を注射して体内に入れるのである。トゲを作るだけ作ったらその「人」は消滅し、残るのはトゲだけである。

 

副作用ってなんなん?

そんで、気になるのは発熱や倦怠感といった副作用だ。この副作用ってなんやねん?って疑問も多いだろう。

 

ただこれら副作用は当然な反応といえる。一連のワクチンは体に免疫反応をわざと誘発させて抗体を獲得しているわけだから「発熱や倦怠感のような免疫反応の症状は出る」のが普通なのである。発熱はウィルスの動きを鈍らせるための反応だし、倦怠感は体が免疫反応でがんばっているから倦怠感が出てくるわけである(トゲしかないからウィルスはいないんだけどさ)。

 

だから副作用が出てくること自体は疑問はないのだが、一方で個人的にはなぜ発熱が38~9度と高熱だったり、接種者の7割以上が発熱するといった頻発性があるのかが疑問だ。もっとも流通している通常ワクチンは研究がかなり進んでいるのでそういった副作用を抑える機構が入っているとかかもしれないが…

また、注射部位が腫れるモデルナアームといった副作用もどういった理由で起きているのか私が調べたかぎりではよくわからなかった。こういった症状はワクチン全般でみられるものなのか、コロナワクチン特有のものなのか、その場合どの成分や機構が要因となっているかを知りたいところである。

 

 

変異型の怖さ

さっきからトゲトゲうるさくて申し訳ないが、実際このトゲが重要なのである。

変異型なんかが出たときの問題はまさしくこのトゲが心配要素で、あまりにもトゲの形が変わりすぎると抗体と形が合わなくなってしまう可能性がある。そうなるとワクチンが効かないコロナウィルスが出てくる可能性も捨てきれないのである。

ただし、実際には多少形が変わったくらいでもまぁまぁ対応できるもので、ワクチンが全くの無駄になるかというとそうでもない。

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似たような形なら旧型の抗体でも対応ができる(作画:私)

もちろん、完全に形が一致するよりは少し効力は落ちてしまうが、例えば重症化するほどの悪化は十分防げると考えられている。なのでワクチンを接種しておくに越したことはないと個人的には思う。

 

最後に

いかがでしたでしょうか?(ばりばり定型文)

ただ、このブログはあくまでおバカがおバカなりにワクチンを説明してみることで「ワクチンのデマ情報に振り回される人を減らすため」に書いたもので「ワクチン接種の選択の自由はあるべき」だと強く協調しておく。

新型コロナワクチンにはこれまでワクチンとは違う新しい成分も使われているようで(成分表を見る限りそこまで危険なものはないと私は思うが)、未知な部分があることも事実である。

また、アレルギーや先端恐怖症といったものでワクチンを打ちたくても打てない人がいることも忘れてはならない。

 

このおバカのおバカな説明でデマ情報に流される人が少しでも減り、打つ人打たない人が互いに尊重しあえる世の中が実現できればいいなと願っている。